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私が「この本はいい本だなぁ」と思った本をご紹介していくブログです。

遠藤周作『深い河』を読んで NO2 追記

こんにちは、当ブログへご訪問いただきましてありがとうございます。

 

きょうは前回感想を書いた遠藤周作さんの『深い河』の感想の

追記分を書いてみようと思います。

 

深い河 新装版

深い河 新装版

  • 作者:遠藤 周作
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2021年05月14日

 

前回は自分が後になると忘れてしまいそうなことを記録したいと思い

それらについて簡単に書きました。

そのためこの本のメインテーマについての感想は書いていませんでした。

今回は追記として感想を書いてみます。

前回の記事だけでは、なにか別の本の感想のようだと思ったからです。

 

 

 

私はこの本のメインテーマは、

神と人間との関係、

宗教と人間との関係

信仰についてなどが主な主題だと

思います。

 

 

このテーマについて

神父を目指している信者の大津と同じ大学に通っていた美津子のふたりをメインとして

神について、信仰について、神と自分自身との関係性などについて

ストーリーを通して語られている小説だと思いました。

 

 

個人的な感想ですが

私はこの小説の主人公の大津ととても似ているな、

という印象を受けました。

なので大津にについて述べるような感想は特にありません。

それが前回の感想でふれていない理由です。

 

 

大津と似てると書きましたが、

大津についてのエピソードや行動などは私とは全然違う人物です。

たとえば飲み会の時の話やインドへ行ったりとか

イエス・キリストについてのイメージなどは全然違っていますし、

私自身は大津のような信仰もありません。

その他も全然違っています。

 

しかし読んでいるとなぜか自分ととても似ていると思えるのです。

ここがとても不思議なところです。

 

 

本当に似ていると思える点は

大津ががとらえている神についてのイメージや感覚や概念

わたしと似ていると思いました。

おそらくこのあたりに共感したのかもしれません。

 

この本を読んで影響を受けたことは前回記載した、

信仰を持った方がいいと思ったこと、

神との関係を構築することをすべきだと思ったことです。

この本を読むことでこれに気づけたことがよかったと思っています。

 

 

次は美津子についての感想ですが

ひとことで言うとすれば

私は「なんとなくかわいそうなひとだなぁ」と思いました。

 

美津子は大津と違って神を信じてはいませんし信仰もない人として描かれています。

しかし神を知りたいという思いを自分でも気づいていないと思いますが

深い部分に強くある人ではないかなと感じました。

 

神を知りたい、実感したいと心の深い部分で神を求めているにもかかわらず

特に信仰もしていませんし、それを得ることができないでいること。

そのためにどこかに寂しさを抱えて生きている人、のように思いました。

 

自分ではどのような形で神にアクセスすればよいのかもわからないため

大津に“惹かれて追いかけて”行ったように思いました。

大津は神と“深く結びついているように見える人”だから、、、、。

 

だから何か大津なら何か知っているに違いない?!

、、、、、、、、。そんな物だと思いました。

 

なので美津子は今の多くの日本人と同じような立ち位置にいる方のように思いました。

 

 

特に信仰する宗教はなく、でもまったく神などはないとは思えない。

何かはあると思っている。

しかし神の存在があると思ったとしても、

ではどの神を信じればいいのか、

どの宗教を信じればいいのかわからないし決められない。

 

結局、信じれるような神や宗教はない、、、、。

なにかしっくりくるような神や宗教や存在があればいいのだけれど、、、、、。

 

美津子はそんな感じの方だと思いました。

 

つまり美津子はある意味、私自身でもある、と思いました。

 

 

大津に似てると書きましたが、実は美津子にも似ていたようです。

今書き始めてそれに気づきました、、、、、。

 

この小説に惹かれたわけは

まるで自分のことが書かれているように感じたからかもしれません。

 

 

大津、美津子やその他の人物の中に何か自分自身と同じような、

そして何かことばでは表現しきれないような何かを感じたからかもしれません。

 

今回は前回の追記分として書いてみました。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

きょうが最高にラッキーな一日になりますように!!

 

深い河 新装版

深い河 新装版

  • 作者:遠藤 周作
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2021年05月14日