my select books

私が「この本はいい本だなぁ」と思った本をご紹介していくブログです。

中村元著『インド思想史』を読んで

こんにちは!

当ブログへご訪問いただきましてありがとうございます!

 

 

きょうは中村元著『インド思想史』講談社学術文庫を読みましたので

簡単に感想を述べていきたいと思います。

 

 

インド思想史

インド思想史

  • 作者:中村 元
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2024年01月15日頃

 

 

まずこの本を読もうと思ったきっかけですが

最近原始仏教について少しはまっています。

その中でどうも自分自身の中で消化しきれないものがあり

この本を読んでみようと思ったのです。

 

 

消化しきれずにいたものとは

無我説と輪廻転生についての両立です。

 

仏教では無我説というものがあります。

無我説とは我がないという考え方で、

ここでいう我とは、アートマンを指しているようです。

それまでのインドのヴェーダ聖典ではアートマンを想定しており

転生もアートマンを想定することで理性的に問題なく理解できるものでした。

 

私が無我説を知ったのは最近のことでした。

その結果、アートマンを抜きにして(無我)転生っていったいどういうこと?

となってきたのです。

 

転生を想定するのであれば無我ということは、どうも“納得”がいきません。

無我ではない、ということであればなら転生ありは理解できますが。

無我なのにかつ転生あり、というのは「それは無理でしょう!」と思ったのです。

 

 

無我説と転生について述べられている『ミリンダ王の問い』なども見ましたが、

そこで述べられている見解では、とても納得できるものではありませんでした。

 

 

いろいろ考えた末に、私は無我説はとらないという判断に至りました。

ブッダ自身もアートマンがまったく不在という意味で無我といったわけではない、

と個人的にそのように理解することにしました。

 

 

しかしそう決めてもなんとなく“罪悪感があるような”そんな状況でした。

そのあたりについて『インド思想史』に何かヒントがあるのでは、

と思い読むことにしたのです。

 

 

読んでわかったことですが

私と同様にやはり無我説と転生説の両立には無理があると

考える人たちが多くいた、ということでした。

 

この本を通してインド思想史の流れを見ていくと

インド思想史の系譜において、ブッダの無我説は“少し特殊”な発想のように

思いました。

 

 

この本を読んでよかったと思ったことは自分の考えたものでよいと

自信を持つことができたことでした。

 

 

自分で無我説は支持できないということを決めたので、

なんとなく罪悪感というか、やはり自分が間違っているのは、

というようなものがありました。

 

しかしこの書籍を読んだことで、私と同じような考えが多々あることを

知ることができ、ほっとできたことでした。

この本によって当初の目的を達することができました。

 

 

他によかったと思う点は

大乗仏教(華厳経・浄土教)、チベット仏教の経緯、

密教についてよく知ることができたことでした。

 

 

それ以外では

インドに以前からあったヴェーダ聖典やウパニシャッドについて

知らなかったことやそれらをベースに発展していった各種思想について

書かれている点が特に参考になりました。

 

その中でも一番自分に合ってそうだと思ったあたりは

ヴェーダーンタ哲学の発展(P201~208)でした。

ヴェーダーンタ哲学といってもひとことやふたことでは

私には説明できませんので割愛します。すみません。

 

 

きょうは『インド思想史』 中村元著 講談社学術文庫をご紹介いたしました。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

良い一日になりますように!!

よい一日でありますように!!

 

インド思想史

インド思想史

  • 作者:中村 元
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2024年01月15日頃